【CB900F】
CB900Fの外装レストアペイント及び純正デカールのクリアーコートの工程。
今では入手困難なパーツを一つ一つ集めて一台分になったパーツ達、
今回は全てのパーツのコンディションがまちまちで、下地の工程もそれに
見合った作業が必要ですが、ビカビカの仕上がりを目指し作業に取り掛かります。
今回持ち込まれた作業対象のパーツ達。
お世辞にも良い状態とは言えませんが、年式を考えると相応と言った
具合でしょうか。いつも言ってますが塗装は下地が命と考えているので
この状態だと下地作りにはかなりの手間と時間が掛かりそうです。
純正キャンディーレッドに塗装されているタンク。
各所にキズ・凹み・錆びが浮き上がってます、みみず腫れの様に塗装が浮き上がって
居る箇所は鉄板が錆びて塗膜が浮き上がっている状態です。
サンディングしてみるとみみず腫れの箇所がやはり錆びに侵されています。
この錆びの根を残したまま仕上げてしまうと、また同じ症状が現れてしまうので、
ブラスト処理をして錆びの根を完全に取り除いてしまいます。
こういう見えない部分をきっちり処理する事で塗装の持ちは格段に上がるのです。
ブラスト処理されたスチールパーツは、その時点から酸化が始まるので
直ぐに下地塗料を塗ってやります。季節や湿度によってどれ位でとは言い切れ
ませんが、出来るだけ早く鉄板むき出しの状態を終わらせるに限ります。
クラックが入っている樹脂パーツは溶着処理後に、樹脂パーツ専用のパテで仕上げていきます。
下地塗料が乾燥したらタンクの板金作業に入ります。
全ての板金作業が終わったら下地塗料の塗装に入ります。
脱脂をしながら一つ一つ板金の仕上がりを確認して各種プライマーと
サフェーサーを塗装していきます。
下地塗料を塗り終わったら熱を加えて加熱乾燥させます。
これも重要な工程なので、温度管理と乾燥時間は正確に行います。
オーナーの方から用意された新品純正パーツを基に調色作業をしている図。
通常使われるメタリックの中では最大の粒の粗さのメタリックが使用されているようです。
粒子が粗ければ粗いほど塗るのに手間が掛かるのです、恐るべしスペンサーカラー!!
全ての下地作業が終わり上塗り工程に入ります。
ギラギラ度の強いメタリックにテカテカクリアー仕上げ。
これもまた加熱乾燥して十分に硬化させてから次の工程に進みます。
塗りあがったパーツが十分に乾燥したら、いよいよスペンサー仕様のデカールを貼り付けます、
今では貴重な純正デカールです。ゴミ噛みやエアーが混入しない様に慎重に!注意して!
貼り付けていきます。ふ~神経が摩り減ります。。。
デカールを貼り終えた後、さらにクリアーコートをして強制乾燥した後、
最終の仕上げ磨きをします。ギラギラのメタリックがまぶしい~!!
長い工程の末、完全復活したCBの外装セット。
新品のパーツと比較してもなんら遜色の無い仕上がりになりました。
きちんとした下地処理と高品質塗料の使用で
長い期間このピカピカ艶々状態を保てる仕上がりになっています。
後日、オーナーの方が組み上がったCBを見せに来てくれました。
コンディションの良さそうな車体にピカピカの外装がイイ感じです。
あいにく建物の影になってギラギラのメタリック感がこの写真では
わかりませんね~残念っ!
ロングホイールベースにヘビーウェイトな車体、
くれぐれも事故にはお気をつけください。